« 伝え方が9割 | トップページ | すべての仕事は「逆」から考えるとうまくいく »

2013年8月 5日 (月)

論理思考は万能ではない

このブログは自分の学びの為に書いています。

4904336429

今回は「論理思考は万能ではない」です。

一般的に論理思考(ロジカルシンキング)は問題解決の最大の武器である様に考えられているが、本書では「そのような論理思考より、主張や選択の能力が大切である」と論じている。

論理思考で重要とされる内容には以下の様な問題も含んでいる。

 

・事実(ファクト)を見つける際に、都合の悪い事実を見逃している可能性があるし、結果や主張から逆算して、都合のよい事実を探している可能性がある。

 

・因果関係の分析について、本来は原因を分析して解決策を考えるが、そもそも原因の分析にも主観が入り込む可能性が高いし、その解決策で本当に望む結果が得られるかどうかわからないため、仮説=主張というレベルにしかならない。

故に因果関係の分析も、主張の意味を効果的に伝えるコミュニケーションの1つと捉えるべきで、盲信してしまう事は危険である。

 

・MECEに分割するという概念も、重要だとされるのは、切り口だと言われるが、その切り口も、主張する人間の価値観や主観によって左右されてしまうだろう

 

・そもそも論理思考によって全ての意思決定ができるのであれば、それらは全てコンピュータの確率計算や期待値分析によって代替されうる。

 

もちろん論理思考力は主張に意味づけをしたり、複雑な現実を単純化、抽象化する為に不可欠であるが、それ以前に主観的な主張力、選択力が鍛えられなければならない。

抽象化した現実から、適切な判断をする為には、結局「意思決定者の見識」が求められるのだ。

 

意思決定者の見識とは、自分の軸や価値観に従って未来をみる能力であり、想像力とも言い換えられる。

自分の軸や価値観とは、周りから与えられるようなものではなく、自らの内側から湧き上がるような価値観を知る事が何よりも大切である。

仮説~検証を繰り返す中に、自分の軸(価値観、意思)を持たなければ、検証結果に右往左往してしまうだろう。

 

本書では最後に、自分と他者の関係についても言及している。

自分の価値観を知ると、他者の価値観と対立する事もでてくる。

だが、対立をして相手に自分の主張を押し通すだけでは、お互いに相乗効果を発揮する事はできないし、双方の妥協点を見つければ良いか?というと、それもお互いが主張している内容を抑圧している、という点で、また同様の議論を繰り返す可能性があるだろう。

最も創造的なアイデアは「調和」から生まれるという。

調和を生み出すには「対話」が重要になるが、そのポイントは「違いに寛容になる事」「個人的なストーリーを聞く事」「相手の価値観を知る事」である。

対話によって調和を生み、第3の案というべき創造的な仮説を作りだす事が、理想的なコミュニケーションと言えるだろう。

ビジネスの世界で「成長する」とは、「より高い視点での調和」ができるようになる事であり、自分の価値観を軸に、広範囲に「影響力」を及ぼす事でもある。

本書ではそのプロセスを

1.自分の軸を確立すること

2.視点を1段高くすること(自分~他者との関係~会社・組織~経営環境)

3.自分の価値観と他者の価値観を調和させること

4.関係性の変化が組織に根付くまでコミュニケーションを行うこと

5.1~4を繰り返すこと

と論じている。

 

小手先のテクニックやノウハウを学ぶよりも、自分の軸や価値観を確立する事が肝要である事を、再認識した読書であった。

|

« 伝え方が9割 | トップページ | すべての仕事は「逆」から考えるとうまくいく »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1166152/52743960

この記事へのトラックバック一覧です: 論理思考は万能ではない:

« 伝え方が9割 | トップページ | すべての仕事は「逆」から考えるとうまくいく »